ASH INSTITUTE Blog

急ぎの仕事を終えて



急ぎで頼まれた仕事を一昨日の朝、仮納品した。
そこに間に合わせるために、ひとつ仕事を断り、更に徹夜になってしまった。
これくらいの年齢になると徹夜するとその疲れが何日か抜けなくて困る。
だから今日も体のあちこちが腫れぼったいような痛いような感じでだるい。ww

この大急ぎの仕事は、プロジェクトのなかばで助っ人的な立場で関わることになったもので、
依頼者もプランの詳細を明確にするまでには至っておらず、こちらに要求されていることを
完全に理解できているか自信が持てなかったし、どんな状態が納品レベルなのか判然としない
ので、とにかく先回りして可能性のあるアプローチをを色々検討して、見込みの無さそうなものを
つぶしていき、現時点での落としどころというか、選択肢のおすすめというか、まぁそんな感じで
なんとか形にして仮納品した。今の時点であまり重要と思えないところはやっつけ気味で。

やりたい事、目指すものが明確でなくても、何かしら形になってくれば、誰にでもいい悪いが
わかりやすくなる。出来上がったものに文句つけるのは誰でもできる、というのはそういうことだ。
そういうものだから、仮納品したデータを見てもらって、要求に対して勘違いしているところや、
修正を加えたいところがあれば対応しますので、ということにして指示を待った。



結果は、
“十分目的とした事が出来ている、というかそれ以上になっているのでとてもいいです。
随分無理をお願いしたと思うのに、こんな短時間で良くやってもらって、本当に助かった。”
とのことで、その時点で納品完了、(とりあえず現段階での)無罪放免となった。ww

こんなふうに、やっていることについて良く理解してもらえて、評価までしてもらえるのは
実にありがたい。出来ることならそういう仕事だけしていたいと思う。

だが、モノの売れる売れないは、それを作り上げるのにどれだけのスキルと労力を要し、
どれだけの情熱を注いだか、などという事は一切関係なく、単純に買う側にとって代金に
見合った価値があるか無いかでしかない。厳しいがそれが現実。

それはそういうものだから受け止めて対応するしかない。
それは(しょうがないので)いいとして、困ったことになる多くは原因はその“中間”の存在。
毎回というわけではないし、困らされ方も色々だがww まぁ困るたび、なるべくそこを
“ダイレクト”に出来ないものかと思う。
今年はおそらく勝負の年になるので、こういう面でも何らかの道筋をつけていきたい。







出来上がったものに文句つけるのは誰でもできる、ほんとにそう…。

2013年03月01日(金) No.437 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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Tesla Model Sのパワーチェック動画を見て思い出したこと



噂のEV、Tesla Model S のパワーチェック動画。
高周波っぽいギュイーンという音は味気ないが相応の迫力はある。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=OawY6sUAn3g

この動画を見て、92年に開発したソーラーカーレーサーの完成テストを思い出した。
出来たばかりのランニングシャシーをシャシーダイナモに乗せ、クライアントと一緒に
ドキドキしながら見守った。徹夜続きでクラクラもしていた。ww
テストの結果、クライアントの代表(某自動車メーカーの研究所の所長:工学博士)は
満面の笑みで、「We are very very satisfy! Thunk you so much!」と言ってくれ、
とても嬉しかった。モーターとコントローラーは私の担当ではなかったが、その言葉が
嬉しくて、モーターの音が心地良く聞こえた。



翌93年のワールドソーラーチャレンジに参戦して…、あれからもう20年か。
初めてアルミ薄肉パイプによるトラスフレームとサスペンション、シャシーの設計を任され、
大きなプレッシャーを受けつつ、非常に多くの事を学んだのがこのプロジェクトだった。

当時はまだまだドラフターに向かっていて、フィルムに手書きで設計していた。
徹夜して書き上げた長尺(4m弱)の図面を当日の朝、海外出張に向かう部長に
渡すためにコピーしようとして、ロール紙が途中でコピー機に巻き込まれて
クシャクシャになった時は泣きそうになったっけ。^ー^;

「頭の中には残ってるんだからもう一回書けばいい。もう少しいいものが書けるだろうし。
これ持ってって、うまいことまとめてくるから、泣くな。(;^ー^)ノ」 
と部長はなぐさめ励ましてくれた。
他にも何かと引き立ててもらったな…。
自分は恵まれていたのだなと思う。





つらくても懐かしく思えるのは、それが今につながっているからか…。

2013年01月20日(日) No.408 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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あけましておめでとうございます



あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今手掛けている車の完成見込みが今年の7月頃になりそうです。
当初、春頃、3月くらいには完成させたいということだったのですが、
製作側の都合もあってこういう見込みになっています。



実際に完成が近付くと、あれこれやりたい事が出てきて、
もう少し遅れるかもしれませんが、そういった経緯も含めて、
このブログで公開していこうと思います。






お客様が喜んでくれる、いい車ができますように…。

2013年01月01日(火) No.378 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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成立するのならよりシンプルに



私は基本的にデコラティブなものが好きではなくて、作るのも苦手です。
ですが、そういうことを要求されることももちろんあります。
これが結構苦痛…。
そうはいっても何とかかんとか、心を閉ざし気味にして作ります。ww
まぁ、そういうのはそういうので、お客さまさえ喜んでいただければいいです。

そういうものではなくて、自分としてはデコラティブな要素とは思っていなかった
ものを “これはいらないので削除してください。”と言われるのは結構つらいです。
あれこれ追加要求されるのよりもずっとダメージが大きいです。

“成立するのならよりシンプルに” いつもそう思って作っているんだから、
よりシンプルになっていいじゃないか…、とは思えないのか?
自分にそう問いかけもするのですが、その時はなかなかそうは思えません。ww



多分、“成立するのならよりシンプルに” と思いながら作っているので、
自分としてはそれ無くしては成立しないように感じてしまうのですね、きっと。
それで、“ぶちこわしだ、これじゃぁ…。せっかくのこの形が…。”
というように被害妄想気味に思ってしまうのだと思います。大げさです。ww

“何でこれを無くしたり、変えなきゃならんのかと…。”
しばらくもんもんとそう思い、少しずつ復活していって、ww
そのうちウンウン唸りながらも考えて…、
それで段々と気に入ったものができてくれば、もうしめたもので、
こうなれば、きっとこれで良かったんだろうなと思えてきます。ww

こういう事を含めたいろんなリクエストがあって、それに何とかこたえられれば、
自分の引き出しが増えることにもなりますし、お客様に喜んでいただけるのが
何よりです。
自分とは異なる価値観による評価、それは謙虚に受け止めないとです。




苦しい時は伸びている時。

2012年12月05日(水) No.345 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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上質なプロモーション



大変だった…って言うのって、
あんまりカッコ良く思えないんで、
あんまり言いたくないんですよね…。
すごく仕事ができて控えめな態度の方がそう言っていたことがあって、
とても共感したことがあります。
同時に、この人きっと損することが多いんじゃないかな、とも思いました。

同じことをサラッとスマートにやってしまう人だっているだろうし、
“大変”って言うことは、自分の能力が低いって言ってるようなもんだし、
妙な忙し自慢みたいだし…、まして聞かれてもいないのにこんなことを言われても
正直あまりいい印象は持てません。



ですが、結構厄介なことでも何ともないような顔をしてると、どんどん面倒くさいことを
お手軽値段でやるはめになりかねないので、どうしたものかと思うわけです。

それとはまた別に、手弁当でもやってあげたいと思うようなこともあり、
こんなことばっかりやってるからいつまでたっても儲からんのだよな…、
そんなふうにも思うわけです。

モノの値段って(サービスとかみんな含めて)、その値段で買う人がいて初めて
成立するというか、意味を持つわけですから、儲からないというのは、大雑把に言って、
世の中にあまり必要とされていない、重要視されていない、そういう事なのですよね。

そんなことは無い、きっと役に立つはず…、そう思っているのなら、きちんとそれなりの
プロモーションをしてわかってもらわなければいけない。単純にそういう事だと思います。
これがうまい人や企業を見ると、さすがだなとか、うらやましいなと感じます。

魔法のようないいことばかり言うのは、ちょっと胡散臭く感じるものですが、
上質なプロモーションはモノやサービスの価値を高めてくれることはもちろん、
見た人の心を豊かにしてくれたり、明るい希望を持たせてくれたり…、
それだけで大きな価値を持つと思います。





見た人の心を豊かにして、明るい希望を持たせる…、そんなものを作りたい。

2012年11月28日(水) No.340 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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見たことも無いようなものを…




見たことも無いような斬新なものをお願いします。
そんな要求をされることがしばしばあります。最近は減りましたけど。
でも、人は本当に初めて見るものに対してはたいてい拒絶反応を示します。



何回かやり取りしてわかってくるのは、多くの場合似たようなもので、
その人がどこかで見て気にいったもの…、
好きなメーカーやブランドの新作だったり、あるいは現行品だったり、
もっと古い記憶だったりもします。(その記憶が正確ではなく曖昧なもので、
そうでありながらこだわりが強かったりすると、結構困ったことになります…。)
それが潜在意識の中にあり、要はそれに似たイメージのものを求めている、
そんなことが多いようです。

それがどんなものかわかれば、あとはそれをアレンジして…となるわけで、
それはあまりクリエイティブな作業ではないように思いますが、
こういうこともモノとして洗練されていく過程かもしれませんから、
それはそれでいいんだろうと思います。




寒くなって猫を抱いて寝る毎日。朝、目が覚めるとお猫様が真ん中。自分はすみっこだったり…。


2012年11月16日(金) No.326 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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Motor Fan illustrated 2冊



仕事に関係する買いたい雑誌があったのでamazonnで探して注文しました。
以前にもとりあげたことのあるMotor Fan illustrated という雑誌です。
いつものように、注文した翌日には猫好きドライバーの運転する ww
クロネコヤマトの宅急便で届きました。

このうち片方は、見たことのある内容がいくつかあるようだけど、
まぁついでに買っとくか、てな感じだったのですが…、
実際に中身を見て軽くショック。
こんなに濃い内容だったとは…。
期待したものの数倍の情報量。
さすがMotor Fan illustrated、ww 恐るべし…。
というくらいのもので、すごく良かったです。両方かって良かった。

今はなき本家のモーターファン誌が何回目かのリニューアルの時に掲げた
The most reliable automotive magazine :最も信頼性の高い自動車雑誌
という目標を思い出しました。
今この雑誌は十分そうなっていると思います。
少なくとも私にとってはそうです。
                                  
                       ..
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2012年09月29日(土) No.209 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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静岡県磐田市へ出張



今日は静岡県磐田市へ日帰り出張でした。
少し前に私がデータを作って、それを別のところで動画にしたものの
1回目のお披露目で、修正希望があればそれを聞くという会議なのですが、
私の出番はあんまりないだろうなと予想していました。

お披露目してみたところ…、案の定、私は全く必要ありませんでした。ww
修正は動画の構成、編集などのごくわずかな部分でだけで、
モデリングデータは全く問題無いようでした。
それどころか、よくあの資料だけでこれだけのものを作られましたね…、
というような感じで、ご満足いただけたようです。

最近はどこも技術データの流出に非常に神経質で、今回の仕事でも
支給された資料は、CADのシェーディング画像が数点だけで、
寸法などの数値は全くありません。
こういう内容で、技術的に破綻の無いデータを作るのは結構厄介なもの
なのですが、勉強しながらモデリングして、ww 何とかうまくいったようです。

結果的にほぼ一日と交通費がかかっただけで無駄足になったわけですが、
カッコいい、想像以上の出来栄えですごくいいと、..
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2012年08月22日(水) No.182 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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TS020とAUTOart製1/18モデル



このところ参考のためにこの種のスケールモデルを見直しています。

トヨタTS020は、実車(プロトタイプが)が雑誌で紹介されているのを見た時、
“うわ、こんなのがレギュレーションで許されるのか!?
カッコいいところはやたらカッコいいけど…。”
と思って見たのを覚えています。
ものすごく印象的でした。さすがコルタンツ…。

TS020のメカニカルレイアウトや、空力に対するアプローチ、ボディパネル各部の
造形がとても参考になる事はもちろんなのですが、この写真に写っている
他の車(ポルシェ911GT1、マクラーレンF1GTR)も含めて、
この1/18スケールのミニチュアカーの作り込みにも全く恐れ入ります。
特にAUTOart製のものは大したものだと思います。
良くもまぁこんなところまで再現して、それを1万円そこそこで売ってくれて…。
大変役に立ちます。すばらしいです。
作ってくださった方々に感謝し、敬意を表します。

写真は2004年の12月に撮影したもの。
今もこれらは仕事机の上やすぐそばに置いて、仕事しながら眺めていま..
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2012年08月13日(月) No.173 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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困った時の考え方



仕事の途中で切羽詰まった時や困った時、どうやって切り抜けるか、
その気持ちの切り替え方の事なんですが、

この仕事は自分ではない誰かがやっていて、
その人達が困って困って自分に助けを求めてきた。
それで自分は助っ人としてこの場にいる。
今からこのプロジェクトに参加する、おくれてきた解決屋。

そんなふうに思うと、何だかちょっと気が楽になって、
ちょっと新鮮な気持ちにもなって、またがんばれたりします。

実際今までにそういう場面を何度か経験していて、
そんな場面では、こちらとしては大したことをしているつもりはなくても、
少しでも成果が上がると、そのたびに感謝されて、
こんなことで喜んでくれて、嬉しい。でも、ちょっと悪い気もする…。
などと、恐縮しながらも、気分良く仕事出来たものです。

一人でやってると、困った人も、それを解決してくれる人も
全部自分っていうのがもう…、何ともアレですけど。(;^ー^)ゞ
2012年07月28日(土) No.156 (CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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