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クレイモデル進行状況 3月13日時点
5mm厚のベニヤ合板で組んだクレイモデル用中子。
X,Yのピッチはどちらも100mm。
形状的に中途半端というかきわどいというか、クリティカルなところだけ、
イレギュラーなピッチ(より細かい)にしてあります。
これは正規のサーフェイスの−10mmオフセットで(小さく)出来ていて、
この表面にクレイ(工業デザイン用粘土:粘土と行っても成分は全て化学合成)
を手作業で10mm強盛りつけて、造形作業の下準備ということになります。
盛り付けたクレイの表面を専用の工具を使って削り、狙った形状に仕上げていく、
この作業のことをクレイモデリングと呼ぶわけですが、クレイモデルといっても
中まで全部クレイではなく、あくまで表面に近い数ミリから数十ミリです。
(全部クレイにしたら重いしもったいないし…、色々問題なのでしません。)
合板を組みあげたままではクレイを盛りつけられませんので、間を何かで
埋めるようなことをしないといけません。
普通はもっとピッチが荒くて、合板の隙間にウレタンフォームなどを入れて、
表面をザクザク削って、大まかな形にして、その表面に樹脂を塗って固めて…
とやるのですが、今回はお客様の工場にある設備:レーザーカッターを使って、
それもフル活用して、なるべく手っ取り安価にできるようにしたい、ということで、
こんなピッチで沢山のベニヤ合板を切り出して組んでいただきました。
合板同士の間の隙間は樹脂を予めひたしたファイバークロスをバサッとかけて…
などと大雑把に考えていましたが、それだけではやはり心もとないということで、
製作をお願いした経験豊富なモデラーが色々考えてくれ、事前の処理として、
要所にワイヤーを張ってピークを再現し、その上から伸縮性のあるネットを張り、
全体を覆うことにしました。
まず、ボディにいくつかあるピークラインやノッチラインを再現するための細い
ワイヤー(写真で白い糸のように見えるもの)を合板のピーク、ノッチ同士を
結ぶようにひきまわし、固定していきます。
全体を覆うネットは目が細かくてすこし伸縮性のある丈夫なものです。
これを上からかぶせて固定し、更にその上からFRPを1プライ。
これが硬化すれば、正規のボディサーフェイスから10mm弱内側にオフセットした
面が出来ます。ここにクレイを盛り付けて、クレイの荒盛り状態となります。
うまくいくといいなと思いながら進めた工法ですが、比較的シンプルな作業
(手間がかからないというわけではなく)で形状の再現性が高く、結果として
今回はうまくいったのではないかと思います。
ウレタンを使ったほうがいい場合もあるでしょうが、データがあって、レーザー
加工機もあるのなら、中子の製作方法の合理的な選択肢になるなと思いました。
昔の手鈑金の頃の合わせ用の木型のようにも見えて、魅力的でしたし。
新たな手法を試す時は、うまくいくまでいつもドキドキ…。
2013年03月23日(土)
No.454
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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