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韓国メーカーの仕事をした頃の事 Vol.2
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韓国の自動車メーカーからの依頼で、日本でコンセプトカーを作り、韓国に輸出して
むこうのモーターショーに出品するという仕事も何回かやった。
その中のひとつで、税金対策で(韓国の自動車メーカーが韓国政府に支払う)
完成車を一旦ばらしてパーツとして輸出し、現地で再組み立てるというプロジェクトがあった。
そのショーカーはランニングプロトなのだが、ランニングプロトといっても、実態は
やっと走れるという程度のもので、製作は現物合わせのところが多く、
それをボディとシャシーで分けて、もう一度組み立てるというのは何とも手間がかかる。
それも必要と思われる設備や人員の十分ではないところで…、というのは、
そのつもりで設計していても相当に骨の折れる仕事だった。
デタッチャブルボディww なんて聞いたことないし…。
何とかそういうものを作って輸出までこぎつけ、現地の通関見込みが立ったとの連絡を受けて
私一人で出張。
韓国での再組み立て作業のためなのだが、他にモデラーやメカニックなどに同行願いたくても
他の仕事が数台あってみんな不眠不休でやっている最中なので動かせない。
設計者が行って現場監督しながら作業するしかないという状況。
現地、韓国の自動車メーカーの工場の人員を使っての作業ということなのだが、
まぁ最初から不安満載だった。
当日の朝、その自動車メーカーに行って、始業時間を待って工場に行こうとすると、
通訳兼お世話係の張(チャン)さんが言う。
「あと30分くらい待ちましょう。すぐ行くと工場の人達がまだ休憩してて、お茶を飲んだり、
卓球やバドミントンをしてたりするので嫌がられます。」とのこと。
最初意味がわからなかったが、要は工場の人達は始業時間になっても仕事を開始せず、
ダラダラと休憩したり遊んだりして中々仕事を始めないということだ。
私は絶句しつつも張さんの言葉に従い時間をつぶしてから工場に向かった。
先が思いやられて朝から暗い気持ちになった。
工場につくと、私が行くまで手を触れないでいてほしいと伝えておいたはずの
車のボディAssy(笑)が大型のホイストクレーンで宙に浮いていた。目を疑う。
オイオイオイ、取り扱い方法わかってないのにどうしてこういうこと勝手にするかなぁ…。
ボディを吊り上げるためにサイドシル部に着けたアイボルトを見つけてそれを利用してくれて
いるところまでは良かったが、案の定ラフな吊り方で、何ヶ所か擦れたりキズがついたり、
FRPボディは既に痛めつけられていた。
ステアリングコラムスイッチも片方折れていた。ドアを開けて吊り上げるベルトをかける時に
引っかけて折ってしまったらしいが、もっと頑丈に作っていないから悪いんだということにされた。
また絶句である。一事が万事そんな感じであった。
その後数日、毎朝始業の30分後位に工場に行ってww 作業を行い、何とかめどがついて
帰国出来ることにはなった。
これでやっと韓国から離れられる…。
日本に帰国できるという喜びよりもそっちが大きかったかもしれない。
あの出張作業はほんとにいやだった…。
2013年07月05日(金)
No.630
(CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事)
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