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クルマはかくしてつくられる4 レクサスLFA
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前から気になっていたこのシリーズの最新刊。
先日偶然書店で見つけて中身を確認できたので購入。
あいかわらず非常に細かく取材されていて内容が濃い。
福野礼一郎さんの書く文章はいつもながら濃く深く、そして車とその開発に携わる人達に
対する愛情や敬意が感じられていいなと思う。勉強にもなるし。
この本を読むとLFAという車があらためて良い車なのだなということがわかる。
開発者たちの非常に高い志、それを実現するための高度な技術と工夫の数々。
それはもう執念のような、プライドをかけた渾身の仕事だったであろうことがうかがえる。
車好きとして、日本人として、これを誇らずしてどうする!というくらいのものだ。
自分にはとても買えないことが本当に悔しい。
ただ、そういう思いがするのはいいのだが、そうなってくるとなおさら、
この車の気に入らないところが残念に思えてきて、微妙な気持ちになる。
特に顔つき。
ヘッドライトが全てを…とは言わないが、まぁかなりの割合でぶち壊している。
ように私には思えて残念でならない。
他にも、サイドウインドー後方、リヤクォーター部分のエアインテークまわりの
唐突というかまとまりの悪い感じも、どうにも良くないと思う。
その下のリヤホイールアーチ前のエアインテークは、こちらはもう、えも言われぬ、
他に類を見ない美しい造形だと思う。すばらしい。惚れ惚れポイントのひとつ。
そして、リヤビュー。これがまた最高にカッコいい。
他に似ているものも無く、すばらしく魅力的。先ほどに続いて本当に惚れ惚れ…。
フィオラヴァンティ氏作と言われるオリジナルデザインも良かったが、
それを更にリファインして魅力を高めることに成功している。
特徴的なリヤグリルは、そのメッシュのパターンにもう一工夫、繊細さとモダンな
雰囲気が欲しかったし、リヤコンビランプの光源のレイアウトには特に見るべきものが
無いように思えて、それらはちょっと残念だが、それらは些細な事。
これで、ヘッドライトを含むフロントバンパーのデザインが洗練されていて、
ショルダーラインに少しだけ抑揚があれば(Aピラー後方あたりで50mm程度低くしたい)、
どんなに良かったかと思うと…、ものすごく惜しい気がする。
この本ではエキゾースト系について触れられていないのがちょっと意外だが、
それは本ではあのすばらしい排気音が伝えられないからか?
本当の理由はわからないが、とにかくあの排気音はすばらしく魅力的なのは確か。
これははっきり言って世界一。まさしく聞き惚れる。
“車の音でいい音ってどんなの?”と聞かれたら、LFAの音を聞かせればいいと思う。
インテリアも色々いいところがあるのだが、特にメーター。
ファンクションごとに表示情報がさまざまに変化する美しいグラフィック、
リングが機械的にスライドし、それと完璧に同期してグラフィックが変化する。
そのアイディアも実際の動作もどちらも素晴らしい。近未来的でカッコいい。
そのメーターのすばらしさに隠れてしまって、あまりわかっていなかったのだが、
シートがまるでコンセプトカーのようなユニークで魅力的なデザインであることも
この本で知った。福野氏も書いているが背面も見せたくなる。いや、見ていたくなる。
このシートの背面以外にも、ここで何回か書かれているが、完成車になってしまえば
隠れて見えなくなってしまうようなところにも、いつも見ていたいような、誰かに誇りたく
なるような、そんな部品や作り込みが満載で、とても書ききれない。
作られた時の世界レベルでどうかと考えた時、異論のある方はいるだろうが、
トヨタ2000GTよりもLFAのほうがずっと上のレベルにあることは間違いないと思う。
あちらはあのロマンチックな美しいデザインが他に代え難い魅力だ。
かえすがえすも顔つきが残念…。
2013年06月29日(土)
No.623
(車(マセラティ・クアトロポルテ、他))
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