ASH INSTITUTE Blog
クレイモデル進行状況 3月15日時点
フロントスクリーンの位置が決定しました。
大体いいところにおさまったと思います。
クレイの荒盛りもスタートしています。
このスクリーン、ほんとにカッコいいなぁ。
“本物”なんだものな、これ。
ここだけ見るとジェット戦闘機みたいにも見えますね。
だんだん形になってくる…。
2013年03月24日(日)
No.456
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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クレイモデル進行状況 3月14日時点
クレイ荒盛りのベースができたところでフロントウインドシールドというか、
キャノピー状のスクリーンを載せて位置を合わせてみます。
これに合わせてルーフ、キャビン後半部分を滑らかに造形します。
サフェースデータとは若干の違いが出てくるはずですが、そこは現物優先です。
このスクリーンは某ワークスのLMPカーのものと同じ形状(モノ自体が同じ)で、
全面投影面積の小さい、非常にいい形状をしています。
フロントスクリーンのことで色々悩んでいたのですが、これをお客様があるルートで
入手され、この車用に使えることになったのはラッキーなことでした。
このスクリーンは、専門の業者でハードコート処理をしてあります。
↓
ポリカーボネート樹脂成型・ハードコートの株式会社動研
http://www.doken.biz/index.php
合わせてみると…、案の定合いませんwww
3次元測定機とか、最新のカメラを使った形状測定機とかを使ったのならともかく、
私がお客さまと一緒に自分でボール紙を切ってガバリをとって、そのラフな情報
から作ったサフェースデータですから、まあ大体こんなもんでしょう。^ー^;
想定内ソウテイナイ…。
で、どうするかですが、スクリーンをわずかに傾けたり、後ろに移動させたりして、
落としどころをさぐって、“いいとこどり”で位置決めです。
内側のメインフレーム(今はまだありません)との干渉だけには注意をして。
このスクリーンが載ると、ぐっと完成形が見えてきます。嬉しくなります。
形になるのが待ち遠しい日々…。
2013年03月24日(日)
No.455
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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クレイモデル進行状況 3月13日時点
5mm厚のベニヤ合板で組んだクレイモデル用中子。
X,Yのピッチはどちらも100mm。
形状的に中途半端というかきわどいというか、クリティカルなところだけ、
イレギュラーなピッチ(より細かい)にしてあります。
これは正規のサーフェイスの−10mmオフセットで(小さく)出来ていて、
この表面にクレイ(工業デザイン用粘土:粘土と行っても成分は全て化学合成)
を手作業で10mm強盛りつけて、造形作業の下準備ということになります。
盛り付けたクレイの表面を専用の工具を使って削り、狙った形状に仕上げていく、
この作業のことをクレイモデリングと呼ぶわけですが、クレイモデルといっても
中まで全部クレイではなく、あくまで表面に近い数ミリから数十ミリです。
(全部クレイにしたら重いしもったいないし…、色々問題なのでしません。)
合板を組みあげたままではクレイを盛りつけられませんので、間を何かで
埋めるようなことをしないといけません。
普通はもっとピッチが荒くて、合板の隙間にウレタンフォームなどを入れて、
表面をザクザク削って、大まかな形にして、その表面に樹脂を塗って固めて…
とやるのですが、今回はお客様の工場にある設備:レーザーカッターを使って、
それもフル活用して、なるべく手っ取り安価にできるようにしたい、ということで、
こんなピッチで沢山のベニヤ合板を切り出して組んでいただきました。
合板同士の間の隙間は樹脂を予めひたしたファイバークロスをバサッとかけて…
などと大雑把に考えていましたが、それだけではやはり心もとないということで、
製作をお願いした経験豊富なモデラーが色々考えてくれ、事前の処理として、
要所にワイヤーを張ってピークを再現し、その上から伸縮性のあるネットを張り、
全体を覆うことにしました。
まず、ボディにいくつかあるピークラインやノッチラインを再現するための細い
ワイヤー(写真で白い糸のように見えるもの)を合板のピーク、ノッチ同士を
結ぶようにひきまわし、固定していきます。
全体を覆うネットは目が細かくてすこし伸縮性のある丈夫なものです。
これを上からかぶせて固定し、更にその上からFRPを1プライ。
これが硬化すれば、正規のボディサーフェイスから10mm弱内側にオフセットした
面が出来ます。ここにクレイを盛り付けて、クレイの荒盛り状態となります。
うまくいくといいなと思いながら進めた工法ですが、比較的シンプルな作業
(手間がかからないというわけではなく)で形状の再現性が高く、結果として
今回はうまくいったのではないかと思います。
ウレタンを使ったほうがいい場合もあるでしょうが、データがあって、レーザー
加工機もあるのなら、中子の製作方法の合理的な選択肢になるなと思いました。
昔の手鈑金の頃の合わせ用の木型のようにも見えて、魅力的でしたし。
新たな手法を試す時は、うまくいくまでいつもドキドキ…。
2013年03月23日(土)
No.454
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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クレイモデルの中子(コア)追加写真
このブログでは一度にたくさんの写真をアップできないので、分けます。
今後この車専用の開発日記的なページを設ける予定ですが、
今はまだ構想の段階なので、とりあえずここで随時進行状況を公開していこうと思います。
専用ページ作るまで今しばらくお待ちください。
2013年03月02日(土)
No.441
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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クレイモデルの中子(コア)到着
昨日、クレイモデルの中子(コア)がイケヤフォーミュラさんから到着しました。
実際に製作にあたった方が積載車を運転して持って来てくれました。遠路お疲れ様です。
朝早い時間に栃木県鹿沼市を出発したのに、強風(春一番とのこと)のせいか、
東北道では事故が頻発したようで、途中3回も事故渋滞にはまり、神奈川到着は
1時間以上遅れました。こんなの積んでたら神経使うだろうし、さぞ疲れたことと思います。
積載車に備え付けのウインチをつかって慎重に積載車から降ろして工場に入れます。
幅が広くて低くて抑揚がある…。
実際の車高よりも100mm程度高いのですが、
それでも、原寸大のボリュームを目の前にするとそう感じます。
高さも幅もギリギリまで絞り込んだノーズのせいか、フロントフェンダーの大きさが際立つ。
本物のLMPカーと同じ形状のキャノピーとそこから後ろに伸びるスリークなキャビン。
フロントフェンダーからエアをサイドに流すための十分なスペースをとって、必要最小限の
大きさに抑えたサイドポンツーンは、その前側に2枚のエアガイドフィンをつけた状態で
早く見てみたいです。
太いタイヤを履かせるためボリュームのあるリヤフェンダーと、サスペンションのアッパー
アーム可動域ギリギリまで下げた低いリヤカウル一般面。ここにもリヤウイングをつけた
状態で、こっちも早く見てみたいww
まだこんな骨のような状態なのに、1/1で見るとこう色々考えてしまます。
自分はもう半年以上この形をモニター上で見ていて、見慣れてしまっているわけですが、
他の人の目にはどう映っているのでしょう。
レーザーカッターによる切断面の焦げた薄い合板が思いのほかいいです。
切断面にバリやささくれの類が無く、それだけで洗練されて見えます。
通常、この段階では開口部やウインドーグラスの外周部などの情報がわかりにくいものですが、
今回はレーザーカッターを使い、パーティング部分に小さな突起状の形状を残してもらったので、
どこにどういうラインが入るのか、ある程度わかり、作業のしやすさにつながります。
3DデータからX-Z断面、Y-Z断面それぞれのデータを出力し、その断面データ(線図)を使って
レーザーカッターを動かし、比較的薄手のベニヤ合板をカット。そしてそれらをX-Yで交差する
ように組み合わせ、スチール角パイプで作ったフレームに載せて固定…。
レーザーカッターを活用して合理的な作り方を、ということで今回はこのような作り方をしたの
ですが、これは案外いいやり方かもしれないと思いました。
これにネットなどをかぶせ、更にFRPをかぶせて下地として、その上にクレイを10mm程度
盛りつけて…、そこからクレイによる造形作業となります。
いよいよ1/1スケール:原寸大のモデリングがスタートします。
いわば骨組みだけの状態。それでも嬉しい。
2013年03月02日(土)
No.440
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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カウルの固定方法
LMPカーなどのレーシングカーではこの画像のようなファスナー(日本で普通にファスナーと
いうと衣類などに使われるYKKとかのものを想像するかと思いますが、あれではありません)
を使うことが多いです。
量産車のトランクやボンネットのように室内からリリースレバー等で操作するようなことはなく、
車外から簡単に操作出来て信頼性の高いシンプルなものです。
まぁあんまり見た目に気をつかったものではなく、カッコいいとか、そういうものではないですよね。
(レーシングカーっぽいというだけでちょっと好みという人もいるとは思いますが…)
出来ればこんな凸凹はつけたくないので、何か他に方法はないかと思うのですが、
あれば皆さん採用しているのでしょうし…、そうそう都合のいいものはありませんよね。ww
まぁ、こういうことを含めてしばしば感じることなのですが…、
仕事で普段制約の多いものづくりをしていると、なるべく制約の無い仕事をしたいなぁ
と思うのですが、いざそういう仕事に恵まれると、ものすごく嬉しい半面、
自分の才能の無さにがっかりする、あらためて…。
制約が全くないというのは工業デザインにおいて事実上ありえないこととはいえ、
自由度が上がった分、それにふさわしいほどのすばらしいデザインが自分に出来ないのが、
なんとも情けなくてつらいなぁ…。
ボンネットピンも考えたけど、ちょっとなぁ…。
2013年02月15日(金)
No.421
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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リヤウイングのマウントとリヤカウルのヒンジベース
やっぱりフロントカウルはフロントヒンジ、リヤカウルはリヤヒンジでガバッと開けたい、
ということで色々検討したのだが、どっちもヒンジスパンが極端に狭いから絶対グラグラする…。
ステーが2本ずつは必要だろうし、他に何かできないかな…。
そんなことをつぶやきにしてみたら、マングスタみたいに中央分割で左右に開くとかは?
(ウイングはとりあえずおいといて)というご意見をいただきました。
マングスタは私も大好きな車で、(もしかしたらジウジアーロの最高傑作か、それに近いのでは
ないかとさえ思っている)あの開き方は変わっていて魅力的なのですが、実際にエンジンを
おろす時とかどうするのか?きっとメカニックにボロクソ言われる ww と思われるので、
ちょっとやめとこうかなと思います。
ウイングに関しては、マウント部分だけ残すようにしてカウルを分割すれば出来ないこともない
(実際にそうしているLMPカーはありますし)ですが、やっぱり色々言われそうです。ww
そんなことを思いながら、やっとリヤウイングとリヤカウル..
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2013年02月12日(火)
No.420
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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クレイモデルの中子用断面データ
マスターモデルをクレイで作ることにしたので、その中子:コアを作るためのデータを
作成中。たくさんのセクション(断面)データをとります。
もっと開発費がかけられるのなら、このクレイモデルは作らなかったかもしれません。
データが完璧にできていて、高機能な切削機や造形機があれば、そこから直接マスター
モデルを作ってしまうこともできるので、工期を短くすることを優先するのなら
そうすることもあるわけです。
ですが、ちゃんとしたものを作ろうとすると、それは結構な費用がかかります。
今回は可能な限り費用をおさえるため、クレイモデルをモデラーに作ってもらい、
それをマスターモデルにすることにしました。
クレイモデルは、1/5や1/4などのスケールモデルにしてもフルスケール(1/1、実物大)
にしても、開発工程の機械化、データ化が進んで、一時期は省略される傾向にさえ
あった作業工程です。(しばらくしてそれではいけないということがわかるのですが…)
今回これを作る理由は、前述のように単純にコストの問題で、他にやりようが無いから
なのですが、造形の品質を上げるためには、マテリアルは何であれ(クレイ以外の
石膏でも樹脂でも)あったほうがいい工程なのは間違いないです。
アイディアを実物、立体で確認できるというのは他に代え難いものがあります。
今回はやむを得ず作るクレイモデルですが、そういうことなら、これを作るメリットを
活かしていいものにしたいです。
スキルの高い優秀なモデラーが手掛けるクレイモデルは、スケッチやCGだけでは
思いつかなかったり感じることができなかった魅力が出てくることがあって、
とても奥が深いものだと思います。
この車のクレイモデルが作られるのは恐らく3月頃から。今からとても楽しみです。
コストを抑える有効な方法のひとつ、スキルの高い人に素早くやってもらう。
2013年01月19日(土)
No.407
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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妥協するセンス
頑張ってもどうしようもないことのへ対応策としての妥協。
その妥協の仕方にその人のセンスが大きく表れる。
それはいいものを作ろうとしている時よりもむしろ顕著な気がする。
そしてその妥協の仕方に共感を覚えるような人とはうまくやっていけそうな気がする。
実際、感心するような妥協の仕方を見せてくれる相手はとても信頼できる人が多かった。
そういう信頼できる人達とまた一緒に仕事したいなぁ…。
センスがいい のセンスは妥協するセンス…ともいえる、か。
2013年01月17日(木)
No.405
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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アイディアの出方とか
いくつかつぶやいたのをまとめて、加筆した日記です。
12月30日、打ち合わせで出かけて、思いだしたこと。ことというか感覚。
今やってるようなプロジェクトは、進むにつれてストレスと消耗が倍化というか
急増していくのが常だったこと。
クライアントと製作側との間で板挟み。何度も経験しているとはいえ、きつい…。
ちょっと嫌な感覚を思い出してしまう打ち合わせでした。
その打ち合わせとは別にお客様からの連絡で、エンジンに関する仕様変更をしたいとのこと。
ターボをつけることになりました。それでタービンユニットと排気管などのレイアウトをを変更。
床面すれすれにレイアウトしていた排気管とディフューザーが簡単には両立しなそうです。
ディフューザーは効率的に強力に効かせたいので、なるべく望ましい位置にしたいです。
何かのレギュレーションに縛られる(例えばアップスイープの開始点はリヤホイール
センター以降…など)事もないので、出来ればホイールベース内から跳ね上げ始めたい。
そうすると、必然的に床付近のスペースが無くなるので、いままでそこを通すことを
想定していた排気管の通る場所が無くなる。
では排気管はサスペンションアームの上を回すか?
だが、そこもスペースが無い。サスペンションアームのすぐ上はリヤカウル。
その排気管の取りまわしではサイレンサーも十分な容量が確保できそうにない。
うーむ…。
という事で昨日(12月30日)は就寝。
今日も朝からそれ(排気管レイアウトとディフューザー)をずっと、
時々机に突っ伏して考えて、何個かの案で実際にモデリング。
ようやく、つい先ほど、かなりいい(と思われる)妥協案を思いつく。
これなら以前のまま排気管はサスペンションアームの下で、
ディフューザーの能力低下は最小限、見た目は少しカッコ良くなるかもしれない。
やっぱりこういうのは実際に何度もレイアウト、モデリングしてみないと解決策は出てこない。
風呂に入った時とか、トイレに入っている時とか、朝目が覚めた時…、
などにいいアイディアなど浮かんだためしが無い。
そんな都合よく、ある意味カッコ良く聞こえるようなアイディアの出方なんてしないです。
少なくとも自分は。
机に突っ伏して考える…、という事をしばしばやるのですが、それをやっていると
家内が心配そうに声をかけてくれます。ww
集中して考えるのにいいのでそうするのですが、具合が悪そうに見えるらしく…、
申し訳ないと思います。
ですので、なるべく彼女が出かけてる時にそうしようと思います。ww
いよいよ今年もあと残すところ数時間。
迎える来年はおそらく勝負の年…。
勝負の年… が苦手なヘビ年…。(;´Д`) 大丈夫か、オレサマ…。
2012年12月31日(月)
No.377
(ミッドシップ スーパースポーツ IF-02RDS)
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