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日本メーカーのデザイン、輝ける日は来るのか



良いデザインに対価を支払う。
こういうのって文化の一面だと思うのですが、
そういう文化を持つ社会は、良くないデザインのものは存在することさえ
難しいような、クリエイターにとっては厳しい社会でもあると思います。

で、日本はそういう文化ではないように思われます。
いろんな意味であまいというか、曖昧というか。
今でもデザイン料というものは無いもののような扱われ方することありますし…。

そういう日本のメーカーのデザインが、どうすれば“輝ける日”を迎えられるか?

私あたりがあんまり偉そうなこというのはどうかと思うのですが、
単なる個人的な意見として、ちょっと乱暴に言ってしまえば…、
とりあえず日本市場だけ見ていては中々レベルアップしないと思いますので、
海外市場を真剣に見て、ある意味心おきなく、美しい、カッコいいと思える
デザインで勝負するのがいいと思います。
過去のリソースも十分活用して、長いライフスパンに耐えられる完成度の高い
デザインを目指し、それを繰り返します。

海外市場に向けて日本初のデザインだから〜 などと、変に表面的な
日本らしさみたいなものを表現しようとするのも、しないほうがいいと思います。
日本の伝統的な素材を使うとか、和風の柄を使うとか、そういうことです。
過去にはその種の手法を試みたコンセプトカーもあって、そのいくつかには
(不本意ながら)関わったこともあります。
結果を言えば、そのどれもが“モノに出来ていない”です。日本テイストを。
良くて、いい出来のキワモノというところです。

モノによってはこういった手法が有効なこともありますが、そういうことをする前に、
まず、王道を行くというか、本質的なものを洗練させることです。
その洗練具合こそが日本人の特質が活かせるところだと思います。
それには、セルジオ・ピニンファリーナみたいな超優秀なダイレクターが何人も
必要になるかもしれませんが、それならそうしましょう。ww
高いハードルですが、日本国民の意識を変えるよりはるかに現実的です。

デザイナー個人の能力という点では、日本人デザイナーは悪くないというか、
むしろ欧州の自動車メーカーや超一流デザイン会社で輝くような実績を作っている
(デザイナーとしてもマネージャーとしても)方々が何人もいて、これは普通に
誇っていいことだと思います。 ポテンシャルは十分あるわけです。

こういったことが具現化され、その製品:車が“逆輸入”されるくらいになれば、
それが“輝ける日”の再来となるのではないかと思います。
そしてそれらはきっと、日本の伝統家屋などとも案外いいマッチングを見せ、
レベルの高いもの同士の組み合わせは、テイストとか方向性が違っても、
悪くないものだと感じさせてくれると思います。
そういうものを見たいですし、作れたら幸せです。
2012年07月27日(金) No.154 (車以外のデザイン、Webデザイン、他)
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