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17年前、子猫をひろった



仕事帰りの夜中12時頃、当時勤めていた会社のそばのファミリーマートの前で
高校生くらいの女の子が彼氏とおぼしき男の子に話しているのが聞こえた。
“わぁ、この猫けがしてるぅ。傷口さわっちゃったぁ…。(´Д`; ”
後ずさりするようにして若い二人はそのまま行ってしまった。
怪我してる猫と聞いて、ちょっと嫌な気持ちがしながらその猫に近づこうとすると、
猫のほうからニャーニャー鳴きながらすり寄ってきて、私の脚に頭をこすりつける。
白っぽい猫だった。
体つきは痩せていて、大きさも小さめでまだ大人にはなっていない感じだった。
まるっきりの子猫というわけではなく、人間でいえば中学生くらいか。
キズはどこだろう?と体を見ると、
前足の付け根、わきのあたりに5cm以上は余裕であるような
長く大きな切り傷というか、裂け傷というか、そういうものがあり、
ぱっくりときれいなピンク色が見えて、何とも痛々しいありさまだった。
これはひどい、正直そう思った。
だが、本人(本猫)は案外平気そうで、普通にスリスリして人なつこく甘えてくる。
頭や体を私の足にこすりつけてきて、こちらを見上げてはきれいな声で鳴く。

これは保護して手当てしなければ。 (;`・ェ・)
そう思ってすぐに猫を抱きあげ、車に一旦戻って乗せて、
ファミリーマートで自分用のパンと猫用のミルクとか餌とかそんなものをガーっと買って、
そのまま家に連れ帰った。
明日すぐに医者に連れて行こう。
車の中でもニャーニャー良く鳴いた。かわいくてきれいな声だった。
体は白っぽくて、眼の色はうすいブルーで、きれいな猫だなぁと思った。
家に帰って、先住猫(キジトラ:マロン)とご対面の後、ご飯をあげると、
バリバリ、ガツガツとものすごい勢いで食べた。
おなかすいてたんだろうな。よしよし、いっぱい食べてな。
大きな傷口は痛々しかったが、さいわい出血はしていないし、
夜中でどうしようもないのでその日はそのまま寝た。

翌朝、猫の顔を見ると、あれ?こんな黒かったっけ?というくらい黒く見えた。
手足と尻尾も黒っぽい。いや茶色っぽい。
どうやらシャムの血が入っているらしい。
でも、手足と尻尾にはうっすらと縞模様が見える。
何なんだろう、この猫は…。
医者に連れてったら聞いてみよう。

朝一で(当時勤務していた会社は出勤は午後からでOKだった)医者に行き、
怪我の治療と病気の検査をお願いした。
夕方(もしかしたら翌日だったかもしれない。良く覚えていない)引き取りに行き、
色々聞いてみた。
“怪我の状態は見た目ほど深刻なものではなく、ごく浅いので消毒して縫えば、
数日で治ってしまうでしょう。”とのことだった。安心した。
その他の病気も無いとのことで、それも安心した。良かった。
で、この子はどういった種類なんでしょうか?と聞いたところ、
“見た目はちょっとシャムっぽいですけど、完全に雑種です。”と言い切られた。
ううむ…、そうか。 ま、いいやそれは、どうでも。
“雑種ですけど、すごくいい子ですね。性格が穏やかで、ドライフードバリバリ食べて、
手がかからなくて、とってもいい子にしてましたよ。(^ー^)”
医者がそういうので、ちょっと気分が良かった。
(この医者には以前、キジトラのマロンを飼い始めた時にも連れてきていて、
その時には随分なことを言われて腹が立ったことがあるので、ずっと心象が良くなかった。)

その動物病院で迷い猫の張り紙を出してもらったのだが、結局飼い主は見つからず
このシャム交じりのきれいな猫はうちで飼う事になった。
そして、それを契機に猫を飼ってもいい部屋への引っ越しもすることになった。
それまで、ペット禁止のアパートに住んでいたにもかかわらず、当時の家内が
相談もなくいきなり友人から生まれたばかりの子猫を貰ってきて(押し付けられて)しまい、
仕方なく(だがすごく嬉しかった)大家に黙ってこっそり飼っていたのだが、
二匹体制となっていよいよまずいので、(大体、マロンの事も既にバレテタシ…)
会社から遠ーくて、家賃が高くて、古ーいけれど、
猫飼ってもいい!というところに引っ越すことにした。

これがクリオとの暮らしの始まりだった。
それからずいぶん長い間、このステキな猫のおかげで幸せな気持ちで暮らすことができた。
楽しかった。本当に楽しかった。
なついてなついて、たくさん甘えてくれた。かわいかった。


そのクリオがもう長くなさそうだ。
少し前から痩せてきたなと思い病院で検査したところ、
腎臓をはじめ、いろいろ悪くなっていることが分かった。
あんなに元気で病期ひとつしたことが無かったのに…、
歳をとってしまったのだな、要は。
振り返ればもう17年も一緒にいるのだものな。ファミリーマートの前で出会ってから。

療養食を与え、水素水を飲ませ、家内が献身的に面倒見てくれて、
一時はほんの少し良くなったようにも思えたのだが、
数日前からほとんど何も食べなくなってしまい、また病院で診てもらったところ、かなり悪いらしい。
自分では何も食べようとしないので、流動食をシリンジでちょっと強引にのどの奥に入れている。
嫌がるのだが、そうしないわけにはいかない。
家内ともども嫌われてしまうのはつらいが、しょうがない。

あとどれくらい一緒にいられるのか…、
考えながら寝顔を見ていると涙がこぼれそうになる。

写真は全て家内が撮影。
2012年03月18日(日) No.10 (猫、動物、蝶、風景、写真)
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