<まずは大まかに>
私が個人的にミウラについて思うこと、ガンディーニらしさ、などについて書いてみます。
こういうところに書くとなると、それなりに考えをまとめなくてはいけないので、
正直ちょっと面倒だなと思ったのですが、^^; くろださんから再三言われちゃってるし、
自分でもいつか書いてみたいと思っていたことでもありますし、これを、いい機会と思って
書いてみようと思います。
>私は、あの話題について、みなさんのお話を伺いたいなぁと思ったのです。
>とくにAshさんとか! <<<<ビシーーーー!(^ー^)
ビシーーーー!っと、やられてから随分日がたってしまってすみませんです。(^-^;;
>ガンディーニのウェッジシェイプ前夜
これ、いい表現ですね。気に入りました。^^
>リアから見たときに両タイヤ上に「前方への強いベクトル感を持った逆R面」が見えたら、
>それはガンディーニのスポーツカー
これも、かなりいい線いってる判断基準になりそうですね。
ミウラとブラーボ/カウンタックのリヤビューの雰囲気はほんとに良く似ていますね。^^
是非、くろださんには、バーのカウンターでステキな女性を口説く時に、このことを語って欲しいものです。
きっとイチコロですよ。(何が?)
>そして、その非ジウジアーロ的デザイン態度は、後のカーデザインに新しい可能性と、
>ひろがりをもたらした点でも称えていいと思うのですが、Ashさんなどそのあたりどうお考えでしょうか。
>ぜひうかがいたいです。
ほとんど、というか全くと言っていいほど同感です。称えていいと思います。^^
ジウジアーロとガンディーニを、ニュートンとアインシュタインに例えられたのも、私もほぼ同じことを
考えていました。でも、アインシュタインって言うのは、ちょっと言い過ぎかなぁとも思っていました。^^;
2人の傾向としては、まさにそうだと思いますが。
ガンディーニを称えていいと思うと言いながら、アインシュタインというのは言い過ぎ、という理由を以下に。
ジウジアーロがその長い全盛期において、平均的に非常に高いレベルのアウトプットを続けたのに対して、
ガンディーニは、しばしばそれを上回るきらめきを見せていたと思うのですが、時々、“学生レベル”というか、
これはないよな…というような、ヘンテコなのがあったように思うからです。少なくとも私にとっては。
そして両者共に、全盛期のキレが無くなってからというもの、ジウジアーロはまだかろうじて相応のレベルを
保っているように思えるのですが、ガンディーニのほうは、正直ひどい、惨憺たるものが多いと思います。
総じて、ジウジアーロのほうがプロフェッショナルとしての安定性、信頼性は高く、
ガンディーニは、飛び抜けて良いこともあるけど、それと同じくらいの困ったちゃんのもやっちゃった、
というように思うのです。 そういう意味(不安定でコントロールしにくい、予測しにくいという意味)でも、
ジウジアーロよりも“芸術家肌”かもしれないとは思えます。ちょっと強引ですが。^^;
ここで、2人の作風を比較するのに、ちょっと地味ですが、マセラティのクアトロポルテの世代違いを、
たまたま両者が手がけていますので、その2台(先代と先々代)について書いてみようと思います。
デザインされた年代に大きな隔たりはありますが、それを差し引いても、2人の狙いの違いは
十分見てとれると思います。
・まずはジウジアーロ作の先々代。バランス良く、まとまりは良いけど、ややつまらない(失礼千万!
とはいえ十分魅力的ですが…)、大型のオーソドックスで端正なセダン。若干の前傾姿勢は当時の
このクラスの車には無いもので、スポーティーでモダンな雰囲気に思えた。
・それに対して、ガンディーニ作の先代。こちらは、やや落ち着きにかける妙なバランスでありながら、
(サイドビューで見ると、セダンにしては極端な前傾姿勢で、フロントが薄く、トランクは高過ぎの短か過ぎ)、
しかし、全体として受ける印象は、セダンとしてはまれなカッコ良さ、美しさを持っている。
ただし、どう見ても(どう擁護しようとも)リヤホイールアーチの切り欠きは大いに違和感あり。
(これはこの車の、数少ない、私が嫌いなところ。少なくともこの車には合っていないと思います。)
こんなふうに思えて、そこには両者の特徴が良く出ているのではないかと思います。
ちなみに、先代クアトロポルテを初めて見て、“キャー!カッコイー!!(≧▽≦)” と言った女性がいます。
彼女は、車は好きでしたが、それほど詳しいわけではなくて、車名もデザイナーのことも全然知りませんでした。
おや?と思って、後でそれの出ているカースタイリングなどを見せて、なぜそう思ったのか、感想を聞きましたが、
“よくわからない…。説明できないけど、素直にカッコイイと思った。” とのことでした。 私、十分でした。^^
私は大変嬉しく思い、彼女のことが少し好きになったのでした。(*´ェ`*) ポッ
私が感じるガンディーニらしさを、ディティールに触れずに言うと、(ディティールに関してはまた後で書きます。)
第一印象でまず、見る人の神経を軽くさかなでし、次の瞬間、心をわしづかみにするように、ぐっとひきつける。
一体、何がどうなっているんだ?と興味を持たずにいいられない。そんな感じかと思います。
また、こんなの↓もあります。
“とても車とは思えない!しかし同時に、まさに車!という気もする。”
これは、ある漫画の中で、若くて腕のいいカメラマン(車に詳しくない)が、初めて見るカウンタックの
撮影に際して、思わず発したセリフなのですが、言い得て妙だと思い、いたく共感したものです。
ガンディーニの未来志向デザインの成功作は、みんなこの言葉が当てはまるように思います。
ちなみに、同時期のジウジアーロ作品であるマセラティ・ボーラ、メラック、ブーメランなどでは、
そこまでは思えないような気がします。これらはやはりまだ “まとも” に思えるからです。
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